[Synth] M50 Sound Lab #01

今回は「DTM・ハードシンセ備忘録」と題しておきながら一度も書いたことがないハードシンセの音作りについて書いてみます。

普通はライブに向けての音作りとかを題材にする人が多いですが、今回は「既存曲の音を再現する」というテーマの音作りになります。

今回の課題曲は 初音ミクの「Last night,Good night」(→原曲動画)です。
イントロのピアノが特徴的で聴いた当初からコピーしたいなーと思っていました。

この曲の楽譜を見てみると音符の数は聞こえてくる音よりも明らかに少ないです。
もちろん気付いていましたがディレイを使って音を重ねているんですね。

音に関しては 「なんだ、ただのピアノ音色じゃんww」と思われた方もいると思いますがエフェクトが充実しているM50だからこそ、このディレイが効いたピアノを再現してみたいなーと思った次第です。

エディット元のプログラム(音色)は
  PROG A-021:Stereo Grand 2-Way SW1
を選択。いたって普通のピアノ音色です。

軽くEQとアンプEGだけ調整してエフェクトの設定に移ります。
インサートエフェクトスロットの4番目にディレイエフェクトを入れます。

EDS音源のディレイにはいくつか種類があります。


最初はステレオBPMディレイとかで試してみたのですが案外上手くいかなくて、結局は手動でディレイタイムを設定する[St. Multitap Delay]を選択しました。

ブロックダイヤグラムを見れば分かると思いますが、入力音に対してディレイタイムの異なる2つの信号が出力され、なおかつフィードバックの定位も変えられるので複雑なディレイ効果が得られます。
普通のStereoCrossDelayなどでは単調で素っ気ない感じがするときにこのマルチタップのディレイが便利です。

ここから原曲を聞きながらパラメーターの調整をしていきます。
とりあえず1タップ目のタイムを357ms(ミリ秒=1000分の1秒)に設定。
357msは 60(秒)÷168(曲のBPM)=0.35714…から算出。
続いて2タップ目のタイムを考えるわけですが、先に試したBPMディレイでレートを色々変えてもピッタリなものが見つからなかったので、「これは2つ目のタップにスウィングが効いてるのかなー」とか悩みました。
結果的に導き出したのは Tap2(ms)=Tap1(ms)÷7×10 という比率。
計算して2タップ目のタイムは510msに設定。
原曲では何度もディレイ音が繰り返しているのでフィードバックは多めの「+66」に設定。
Wet/Dry比も高めの45:55に設定しました。


時間経過で見ると、
 原音入力→1泊経過後1タップ目→その0.5拍後よりわずかに早く2タップ目→・・・
といった流れになります。
本来のリズムよりわずかに早い2タップ目のディレイ音がノリを出します。

完成したプログラムを弾いてみた音源(イントロ部分のみ)です ↓
 http://tmbox.net/pl/328770

ディレイタイムの設定は原曲の波形を見ながら算出すればもっと正確になるかもしれませんが、弾いてみたカバーに使う分にはこのくらいの精度で十分ですね。

他にも紹介したいエフェクトが沢山ありますが、今回はこのあたりにしておきます。
M50(というかKORGのEDS音源搭載機とその派生音源搭載機)のエフェクトは大画面のタッチパネル操作の恩恵もあって、1Uラックサイズ程度のマルチFXよりはクオリティも操作性も非常に良いと感じます。
一部の「ダブルサイズエフェクト」(スロットを2つ占有してエフェクト2つ分の処理をするもの)を除けば1音色に8つのエフェクトがインサートできる訳ですからハードシンセの進化には驚かされます。といっても私はHI音源のKORG X50でシンセデビューしたので「昔に比べたら・・・」なんてことは言えませんが(笑)。

ようやく1回目が書けた”M50 Sound Lab”、ネタが切れないように頑張ります。